治療後の注意
①治療日の当日にお酒を飲むと鍼治療の効き目が悪くなりますので、1日だけお酒をひかえます。次の日から飲んでもかまいませんが、深酒すると悪い部分が悪化しますので、早く治したければ毎日ほどほどの酒量に抑えることです。特にぎっくり腰は、鍼をした晩に酒を飲んで、翌日は起きられなくなったということがよくあります。誤解されている方も多いのですが、お酒は身体を冷やします。飲んだ直後は暑く感じますが、身体はその熱をさまそうと冷やす働きを強くしていきますので、結果的に冷えて筋肉が硬くなってしまいやすいのです。
②お風呂は入ってもかまいませんが、温めすぎるとお酒と同じように、身体は冷やそうとしますので、できればシャワーくらいが適切です。鍼治療用の鍼は非常に細いため、すぐ鍼穴はふさがります。
③鍼治療した後は、横になって2~3時間ほど休んでください。休むことで効果が高まります。
④鍼で次の治療は三日間以上空け、一週間以内のうちにきてください。お酒を飲んだり、はげしい運動をしていなければ、治療して三日間は、筋肉が緩んで血液がスムーズに流れ、順調に快復します。つまり鍼は、硬く縮んだ筋肉の痙攣を解除して、筋肉痛に変えているのです。筋肉痛は自然に治ります。筋肉痛が治まったところで、次の治療をするのが効果的です。
⑤鍼をしたあと運動をしてはいけません。腰を治療し、目安の回数で治るはずがよくならず、なぜだろうか?と尋ねてみると、鍼治療をした日に動きやすいため、ジムでスクワットをしていた、ということがありました。治療した日、念のため翌日まではハードな運動をせず休むようにしたら、順調に治りました。
⑥寝不足だったり、体調が悪かったりすると、暈鍼と呼ぶ貧血のような状態になります。これは気分が悪くなり、冷や汗が出たり、吐き気がしたりしますが、鍼を抜いて、しばらく横になっていれば治まります。鍼して血圧が下がったため、貧血状態になったものです。
⑦重傷の場合は、鍼をすると一時的にだるくなることがあります。
⑧一回目の治療を受けた後、かえって痛みが増したりだるくなったりする事があります。これは、鍼ごわりと呼ばれ、重症で麻痺していた部分に血が通いだし、痛みを感じるようになって起こります。普通、三日後くらいには楽になり前よりもずっと良くなります。治療後にだるくなるのは鍼が効いている徴のようなもので、何も変化がない方が効いていないということで問題になります。その症状がひどければ、翌日に再度刺鍼して、神経を締め付けなくなるまで筋肉を弛めれば治まります。これを迎え鍼と呼びます。
⑨重傷の場合は、刺鍼時の重くだるいような感覚(ひびきとか得気といいます)をかなりつよく感じることが少なくありません。しかし、これは治療を続けて症状が軽くなっていくにつれて弱くなり、感じなくなっていきます。その部位が悪いから鍼を痛く感じるわけで、鍼感があれば鍼が悪いところにうまくあたっていると思って良いでしょう。